1. 想
  2. 命
  3. 標
  1. 芯・基
  2. 集

想

珈琲の香りを感じる。
なんとなく流れる時間。時計の針は反対回りには回ってくれない。
だから、いつもと同じ毎日だけれど、同じ毎日がいつもと同じ特別な時間。
この地で生きているということ。
わたしがいまの時間を選んでいる。
丁寧にこの時間の選んでいくことが、わたしたちの暮らしを豊かに彩っている。

たくさんのモノゴトであふれる今。
私たちの価値観も少しずつ形を変えていく。

こころとからだは、ほっとしたいときもある。
大切にしたいものは、気が付くと自分のはしっこにしまい込んでしまっているかもしれない。

それでも、“豊かさ”というものは今も昔も同じ。きっとそうだ。

「この地で生きているということ。」

それは、人のつながり。
それは、当たり前の健康。
それは、自分の選択。
それは、昨日とは違う自分。
それは、居心地のよい空間と時間。

ヨリドコ小野路宿は、そんな「あるといいな」をたくさん実現していく、
このまちの“拠り所”でありたいと願っています。

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あるといいながあるところ。それが、「ヨリドコ小野路宿」

※ヨリドコ誕生の経緯について、noteに書きました。

命

あるといいながあるところ。

医療者が「壁」を越えること。

世界中の誰も経験したことがない超高齢社会、多死社会を迎えます。

まちだ丘の上病院(まちおか)は、医療機関として多くの生と死に向き合ってきました。そして、その中で、”私たちは本当に地域の人々にとって必要な医療を届けることが出来ているのだろうか”という問題意識を持ち続けてきました。

近年、在宅での看取りが急激に減少していることは、人々が「死」を受け入れがたいものにし、忌み嫌い、遠ざけてしまった結果ではないかと思うのです。

現代人の多くは病院で人生の最期を迎えます。決して、病院での看取りを否定するわけではありませんが、みんな本当に自分の生き方や死に方に選択肢を持てているのでしょうか。

病院は「死」のイメージが付きまとい、みなさんから好かれる場所ではありません。「病院っぽさ」があるから、人々が「医療」から遠ざかるのではないか。「医療」から遠ざかるから、「命」のこととか、「死」のことに正面から向き合う機会を失っているのではないか。そんな風に私たちは感じています。

そして、「病院っぽさ」を作り出しているのは、他ならぬ医療者自身でもあります。「医療は高度な専門性が求められる」とか、「人の命を扱っている」とか、医療者のプライドがありすぎることが、目には見えない透明なバリアを作っていたのかもしれません。

だから、まちおかは、「自分たちが地域の人たちの近くに行く」ことにして、野津田の丘を下りることに決めました。

それが「ヨリドコ小野路宿」プロジェクトです。

日本が超高齢社会を迎える中で、既存の社会インフラや社会保障の仕組みだけでは、増えゆく高齢者を支えることができません。

人々の価値観や生活様式も多様化し、これまでの箱モノ偏重型の高齢者の住まいのあり方にも限界があります。

「ヨリドコ小野路宿」は、地域での人びとのくらし方や生き方を提案する事業だと私たちは捉えています。

小野路町の中心地、宿通りの町並みは宿場町の風情を残し、緑豊かな自然をたたえています。この何百年も続く日常の中に、自然と”医療”や”健康”が溶け込んでいく、そんな場所を目指していくこと。

「あるといいながあるところ。」

「なければならないもの」は、世の中にそれなりにあふれている。でも、「あって欲しいもの」は、欲しがり始めると際限がありません。それに、何かを求め続けることが、人々の生活を豊かにするということでもない。

だから、「あるといいながあるところ。」くらいがちょうどいいのではないか、と考えました。

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標

ヨリドコ小野路宿では、この地域にたくさんの「あるといいな」を創り出した結果として、実現したい状態を“標ーしるべー”として、明確にしています。

  • 人と『つながる場』

    困った時に相談できる人がいる、やりたいことを応援してくれる人がいるところ

  • 力を『生かす仕組み』

    自分のやりたいことができる、誰もが役割を持つことができるところ

  • 学びを『育む環境』

    誰もが学びたい時に学ぶことができる、そこに、教わることができる人がいるところ

芯・基

ヨリドコ小野路宿では、「あたたかいこと」「ともに歩むこと」そして「確かであること」を3つの芯ーしんーとします。

また、利用するもの、学びたいもの、そして、働くものなど、すべての関わる人々が大切にする基-もといーを作成しています。

  • あたたかく見守るトコロ
  • ほどほどでいられるトコロ
  • 素直でいられるトコロ
  • 誰もが輝けるトコロ
  • もう少し頑張ってみれるトコロ
  • 互いを認め合えるトコロ
  • 決まり事を大切にするトコロ

メンバー

ヨリドコの歩み

  1. 2019年

    20199
    ヨリドコが国土交通省の『人生100年時代を支える住まい環境整備モデル事業』に選定

    地域の中に医療が溶け込んだ「あるといいながあるところ。」を目指した小野路宿メディカル・ヴィレッジプロジェクトスタート。

  2. 2020年

    20207
    地域住民向けの説明会開催

    地域と一緒に創っていくことを大切にし、地域住民の方への説明会とともにワークショップを実施しました。

  3. 20207
    ヨリドコ、着工前の地鎮祭

    厳かな静寂の中、メンバーはそれぞれの思いを確かめるように祈りを捧げました。
    ここから、ヨリドコ小野路宿が作られていきました。

  4. 20208
    ヨリドコが素敵な施設になるよう運営メンバーでしっくい塗り

    建物の壁を運営メンバーで漆喰塗りをしました。ヨリドコは皆の想いが詰まった施設です。

  5. 202010
    訪問看護リハビリステーションヨリドコオープン

    小野路周辺の地域の皆様の暮らしを医療で支えるため、訪問看護リハビリステーションがオープンしました。
    地域の方々の「ここで生きる」を理念に掲げ、看護師4名、理学療法士1名でスタートしました。

  6. 2021年

    20211
    kitchen とまりぎオープン

    ほっとする一杯のコーヒーと小野路や地元のお野菜を使ったランチやデザートの提供をはじめました。とまりぎから健康の地産地消が始まりました。

  7. 20213
    ヨリドコ小野路宿全面オープン

    訪問看護リハビリステーション、カフェ、コミュニティ・スペース等が同居した複合施設「ヨリドコ小野路宿」が、2021年3月21日にほぼ全面開業しました。

  8. 20214
    「ヨリドコ新聞」創刊!

    ヨリドコ新聞を創刊。最初のテーマは「腰痛と骨を強くする食事」でした。

  9. 2022年

    20223
    ヨリドコ一周年イベント

    ヨリドコ小野路宿の完全オープンから1周年。コロナ禍によって、対面でのイベントは叶わず、オンラインでのイベントになってしまいましたが、ヨリドコを支えてくれた方々とささやかにお祝いしました。

  10. 20228
    ちいここ合宿

    『地域医療がここにある(ちいここ)』の参加学生が、ヨリドコ小野路宿で地域医療の夏合宿を実施しました。全国から延べ15名ほどの医療系学生が合宿に参加し、地域医療について学ぶ有意義な時間となりました。

  11. 20228
    町DAP受託

    ヨリドコで総合事業「町DAP」を受託しました。このモデル事業では、リハビリと栄養士の専門職がADLが低下した要支援者に対して3ヶ月の集中プログラムを行うものとなっています。

  12. 20229
    小野路シルク工房

    小野路の宿通りは昔『シルクロード』と呼ばれた道であったことから、ヨリドコ利用者が発起人となり、ヨリドコの蔵を利用して養蚕にチャレンジをしました。
    8月下旬~9月下旬までの1ヶ月は、カイコの飼育。無事に営繭した後は、繭の乾燥から製糸までの工程をヨリドコ内で行いました。

  13. 202210
    丘の上サロンをヨリドコで再開

    コロナ禍によって開催できていなかった、地域の方々と健康について考える「丘の上サロン」がヨリドコで開催。身近なテーマを取り上げて、地域の皆様と健康について考えています。

  14. 202211
    「歩く会」はじまる

    「地域の方の運動習慣の助けとなりたい」という想いからヨリドコスタッフと地域の方で「歩く会」を結成。毎月1回1~2時間、ヨリドコをスタートして、小野路を歩いています。

  15. 202211
    ヨリドコまつり2022開催

    年に1回のヨリドコの祭典「ヨリドコ祭り2022」が開催されました。今回は小野路囃子連や小野路竹倶楽部など地元の団体が一緒に参加し、地域一体となったお祭りとなりました。

  16. 2023年

    20235
    第14回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会にヨリドコ小野路宿が出展

    愛知県で行われた学会において、ブース内に「ヨリドコ小野路宿」の環境を再現しました。さまざまなヨリドコでの取り組みを紹介し、来場者からも大きな反響をいただくことが出来ました。

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